朱肉の付きがよく、離れがいいことから、古来「印材の王様」として親しまれてきました。
ひび割れや虫食いに強く精密な彫刻に向いている。
象牙には「ハード」「ソフト」の二種類に大きく分かれる。
ハードはソフトに比べて硬度が高く、ピンクがかった色合いや透明感のある光沢をもっている。ハード材は主としてコンゴ、ザイール、ガボンなど、中央アフリカの象から採れるが、現在は品薄状態。
一方、ソフトは色合いが白に近く、一般的にはハードよりも安価。現在流通している象牙のほとんどがソフトで、主にジンバブエ、ボツワナ、ナミビアの象牙から採れる。 現在、象牙は「ワシントン条約」において輸入が禁止されています。日本でも種の保存法において象牙取引が禁止されていますが、認定シールが添付されている象牙品については正規輸入品として取引が認められています。9年ぶりに2008年7月15日、アフリカ象象牙が日本と中国に限り一時輸出することが正式に認められました。但し、実施時期と量は未定です。 詳しくは「象牙の取引に関して」ご覧下さい |
かつては「オランダ水牛」と呼ばれていたが、オランダが原産国でもなく、水牛でもないため、近年「牛角(うしのつの)」に名称が統一された。 オーストラリアやアフリカ大陸などの陸牛の角から採られる印材で、美しい飴色が特徴。 天然素材のため、印材によって色合いのコントラストが違う。 色によって名前も変わり、きれいな飴色の素材は「牛角(白)」黒い独特の混合模様が入っている素材は「牛角(色)」、黒っぽい素材は「牛角(黒)」と呼ばれる。 「牛角(黒)」は黒水牛と間違えられやすいが、全く違う素材。 |
水牛の角から製造された印材。天然素材のため、完全に真っ黒な素材は少なく、薬品で黒く染色した黒水牛印材が大多数を占める。 中には、染める必要のないほど真っ黒な美しい印材が採れる場合もあるが、そうした素材は「染め無し」と呼ばれ希少性が高い。 また、黒水牛素材を加熱圧縮することにより、染色等を使用せず印材全体を黒っぽくし、さらに加熱圧縮するためひび割れなどの原因となる歪みが抑えられ気候の変化にも強い印材もある。 |
これまで「本ツゲ」「薩摩ツゲ」と呼ばれていた印材。硬度が高く、精密な彫刻がしやすいため日本では古くから櫛や将棋の駒などの細工品に使われてきた。
国内で柘の産地は鹿児島県が有名で、「薩摩ツゲ」「本ツゲ」と呼ばれていた。鹿児島産のツゲは農家の人々が伐採とともに繰り返し植林したツゲを使って印材を製造しているため、森林を破壊しない、エコロジーな素材としても注目を集めている。
他にも国内では御蔵島などで採れる「御蔵島ツゲ」「島ツゲ」、中国から輸入されたこともあり「中国ツゲ」と呼ばれた。
現在では一連のツゲ科ツゲ属に属するものは「柘」一文字で表記されている。
【旧シャム柘】 主にタイから輸入されていたので「シャム柘」と呼ばれていた。現在はツゲ科の植物ではないことが判明したため「アカネ」の呼び名で販売されている。現在はラオス、ミャンマーなどから輸入される場合が多い。柘に似た木材で、旧来から印材として使われている。柘ほど木質密度は高くない。 |
「チタンやアルミ」の金属印、愛知万博で有名になった「マンモス」、ヒマラヤに生息する鹿の角「シープホーン」、バーチ材を特殊加工した「彩華、アグニ」「楓、黒檀、琥珀樹脂、おしゃれなアクリル材、メノウなどの貴石材」など |